なぜ電子マネーは乱立したのか。『フェリカの真実』
「フェリカの真実」
ソニーが技術開発に成功し、ビジネスで失敗した理由。
この本はとても面白い。失敗系の伝記は読んだほうがいい。
失敗系の伝記を読んだ方がいい理由は同じ過ちを繰り返さないためである。
成功の原因は無数にあるが、失敗の原因は法則がある。
◎フェリカとは
駅の改札口でIC乗車券をタッチしたり、コンビニエンスストアで電子マネーを利用したり。いまや、あちこちで見られる“かざす便利”をつくりだしたのが、ソニーの非接触ICカード技術方式「FeliCa」です。非接触だから、かざすだけで高速データ送受信。さらに、データは何度も書き換えられ、カード本体を再利用できるエコロジーなシステム。厳重なセキュリティーも実現し、公共交通機関の乗車券システムから、電子マネー、マンションの鍵まで幅広い用途で使われています。これからも、Felicity(至福)に由来する名前どおり、「FeliCa」は世の中をもっと便利に楽しく変えていきます。※出所:ソニーのHP
◎フェリカの変遷(ざっくり)
フェリカは本書によると、
物流用のRFID
→入退室管理で販売するも電波干渉で撤退
→JR乗車券検討するが険しい道が続く
→ソニー大賀社長の「大切な技術を2年でやめるな」でなんとか延命
→香港で実装(オクトパスカード)
→国際規格化に失敗
→なぜかエディ立ち上げ、でも仕様でエンジニアが抵抗←電子マネー乱立の原因
→ソニー出井社長はJRよりドコモ重視←電子マネー乱立の原因
→ドコモとソニーの合弁会社「フェリカネットワークス」立ち上げ
という複雑な経緯で結局ソニーには大した利益をもたらさなかったようだ。
◎オクトパスカードについて
香港のオクトパスカードは、世界への非接触型ICカードの普及に大きな影響を与えることになった。
そして、オクトパスカードは、日本で作られたFelica(フェリカ)方式のICカードを、世界で始めて実用化したのだ。
つまり、日本で最も利用されているFelica(フェリカ)方式は、日本で生まれて香港で実用化されて、その後に日本へ逆輸入されたものになる。
こうした香港のオクトパスカードの成功が、日本のFelica(フェリカ)方式を世界に広めることになった。
今回述べたように、Felica(フェリカ方式)のICカードは、日本で作られた後に香港で実用化されて、また日本に戻った。そのため、こうした香港のオクトパスカードについて知ることは、日本における電子マネーを学ぶために役立つことだといえる。
◎電子マネーの乱立について
電子マネーと言うからには、
現実の貨幣と同様どの店でも誰もが自由に使えなければおかしい。
あの店では使えるけどこの店では使えないではマネーとは到底言えない。
どうしてこんな事態を許すことになったのか。
同じ FeliCa のプラットフォームを使っている香港のオクトパスカードのケースと比べるとその違いはビジネスの導入の仕方にあることが分かる。
FeliCa の規格を採用した世界最初の非接触 IC カードは香港のオクトパスカードである。
運用会社のオクトパス社は非接触 IC カードの開発メーカーに対し採用にあたっての条件を提示したが、それはスペックに関するものではなかった。
オクトパス社が提供するサービス、例えば鉄道屋地下鉄などの交通機関が一枚のカードで利用できること、あるいは、決済に使う電子マネーも一種類であることなど、使い勝手に関するものであった。
有り体に言えば、このようなサービスを考えているのでそれ相応市非接触 IC カードが欲しいというものである。
サービス事業ビジネスモデルありきから始まったのがオクトパスカードなのである。
それに対し日本では物 FeliCa プラットフォームありきから始まっている。
オープンな FeliCa プラットフォームを使えば決済に便利な電子マネーカードを発行することができるので、それを自社のビジネスに役立てたいと考えた企業がそれぞれ独自の電子マネーを作ったというわけである。
まさに電子マネーの乱立は企業のエゴの産物なのである。
そしてそれを可能にしたのがソニーのオープンなプラットフォーム戦略だったというわけである。
◎読み間違えた戦略のつけ
電子マネーの乱立は、
まず「もの製品ありき」から始まるビジネスモデルの限界を象徴している。
日下部氏(Felica開発者)によれば FeliCa とは様々なサービスを入れる器に過ぎない。
その器を利用する際、決済のアプリである電子マネーだけは共通の基盤となるところにないと誰もサービスを提供しないのではないかと考えたという。
だから、電子マネーはどのサービス提供業者も使えるニュートラルなものでなければならなかった。
そのため日下部は共通領域を作りそこにエディを置くようにしたのである。
日下部氏の述懐。
「本来、共通領域に入る電子マネーは一つに絞るべきだったと思うんです。
だけども Edy ができて単独でビジネスを始めてしまいましたから、それを見て共通領域に電子マネーを乗せられるということが皆さんにわかってきたため各自(カード発行業者)が独自のブランド独自の方式で電子マネーをどんどん発行してしまったのです。
それで電子マネーが乱立したわけです。
エディは本来みんなサービス提供事業者が支えなければならなかったのですが単独になってしまったから支えようもなくなったんです 。
SONY でもグループ企業で協力していけば新しいビジネスが展開できたと思います。」
地頭力を鍛える~マンホールの蓋はなぜ丸いのか~
TOEIC学習者はスタディサプリENGLISHを絶対使用したほうがいい
スタディサプリはかなり良いサービスだ。
TOEIC学習者にとってTOEICで高得点をとることがまず目指すべきゴールであろう。
TOEICで高得点を取るために何が一番大切かと問われたら勉強の習慣を身に着けることが一番大切であると感じている。
そんなことは誰でもわかっていると思うが、ではどうしたらTOEICの勉強する習慣が身につくのであろうか。(アメリカのある大学の研究によると、私たちのふだんの行動の約45%は習慣で成り立っているという。)
おそろくその習慣の身につけ方は人それぞれで、多くの人が習慣になる前に挫折してきたと感じている。
今回おススメする英語学習サービス『スタディサプリ』はTOEIC学習の習慣を高確率で身に着けることができるサービスであると感じている。
その習慣化につながる仕組みとしては、
①ゲーミフィケーション②途切れさせたくないと思わせる仕組み③If~thenルール
が挙げられる。
スタディサプリには講義と問題の動画ががあり、それぞれ受講が終わると金・銀・銅のステータスが受講状況によって付与される。(例えば、すべての問題が一問も間違いがなく全問正解なら金のステータス)
「問題を解く→ステータスの変更→さらなるステータスのアップ→まだステータスが与えられていない問題を解く」のサイクルがとても習慣化にとっては良いのである。
専門用語「ゲーミフィケーション」といい、マーケティングなどで顧客の行動をゲームを用いてコントロールすることをいう。習慣化するためにあなたはスタディサプリに行動を良い意味でコントロールしてもらう必要があるのだ。
②途切れさせたくないと思わせる仕組み
ここで重要なこと言う。
習慣を見つけるためには継続しようと思って行動するよりも、行動を途切れさせたくないと思って行動することがより習慣化につながるのだ。海外ではHabit chain(習慣の鎖)といい、習慣の鎖を切らさないように行動したほうが結果的に習慣化されているという。
そこでスタディサプリの機能の一つとして、「連続学習日数」というのが端末(PC、スマホ)のファーストビューに掲示されている。
これが習慣化につながる生命線だと感じている。あなたは一週間ほどこのサービスを使うと必ずこの「連続学習日数」を気にし始める。そして毎日このサービスを開き、途切れさせたくない思いで英語の勉強を始めるのだ。
③if~then ルール
そして最後にテクニックなのだが、If~thenルールというものがある。
if~thenルールの効用は大きすぎる。if○○したら、then○○する。
if○○したら=既に習慣になっていることを書く。
then○○=身に着けたい新しい習慣を書く。
この意識をすると、身に着けたい習慣が身に付きやすいと科学的に証明されている。
if~then ルールを応用するならば、
具体例として提示すると、
1、IF PC(スマホ)を起動したら、THEN まず最初にスタディサプリを開く
2、IF スタディサプリサイト内に流れる音楽を聞いたら、THEN 問題を解く
※スタディサプリのサイトにアクセスすると音楽が鳴り始めるのだが、この音楽を使って習慣化するのも一つの手である。(学習を始めるキーとして活用するということ。)
メディアでは一流な講師がそろっている部分を広告しているが、
じつはサイト内のしくみとしてもかなり良い習慣を見つけるためのキーがたくさんある。2018年度新たなる習慣を身に着けるために活用してみてはどうだろうか。
地頭力を鍛える~AMEXが年会費を1円にしたら儲かるか~
AMEXの利用額年間100万円というのはダントツに高いといえます。高所得者層をターゲットにしているからこそこの数字を出せているのです。
年会費1円の魅力に惹かれてAMEXのカードを作る層というのは大衆層であると想定できます。
仮に大衆層がカードを作成し、VISAの33万円ほどの利用をした場合には話の前提が大きく崩れてしまいます。
年間100万円利用の想定で7000万人(39%増)の会員増が必要だったはずですが、これが年間33万円の会員しか獲得できないとすると、2億1000万人もの増加を必要になります。
この数字は会員数を3倍以上にしてくださいといっているということですので、短期間での達成は到底不可能です。
ここから導き出される回答としては、AMEXの年会費は1円にするべきではないということになります。
どうでしたか?フェルミ推定もビジネスに応用していけばどんどん面白くなっていきます。
地頭力を鍛える(フェルミ推定)
地頭力を鍛える一番良い方法はフェルミ推定であると言われています。
『フェルミ推定(フェルミすいてい、英: Fermi estimate)とは、実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することを指す。オーダーエスティメーションや「封筒裏の計算(英語)」ともいわれる。』
フェルミ推定はコンサルの面接や外資の面接などで良く問われることがあります。
何故、面接で問われると思いますか?
それはフェルミ推定は暗記では対応できないと考えられており、答えのない問に対して仮説を立て論理的に考えることが求められる為、求職者のふるい落としを効率的に行えるからなのです。効率的にとはそれだけ明暗がわかれる問いであり、普段から頭を使っている人と使っていない人の差がとても明確になります。
そんなフェルミ推定ですが、今回は体系立てて少しでもフェルミ推定を理解し、知の世界に足を踏み入れてほしいと考え書いております。
(0)学ぶ前に知っておくと良いこと「ストック問題」と「フロー問題」
ストック、フローとは?
まず、フェルミ推定問題を大きく二分する「ストック」(stock)と「フロー」(flow)という用語について説明します
辞書で「ストック」を調べると「ある一時点に存在する経済諸量の大きさを示す概念」、一方で「フロー」は「経済諸量が一定期間内に変化または生起した大きさを示す概念」という説明が出てきます。
よりかみ砕いて説明するならば、「ストック」とは「あるモノの一時点における存在量」のことであり、一方で「フロー」は「あるモノの一定期間における変化量」のことです。
たとえば、「ピアノ」を例に考えてみましょう 。
○ストックとフローの具体例
「シカゴにおけるピアノの数」と「シカゴにおけるピアノの市場規模(年間)」……果たしてどちらが「ストック」で、どちらが「フロー」でしょう
答えは、「シカゴにおけるピアノの数」が「ストック」であり、「シカゴにおけるピアノの市場規模(年間)」が「フロー」です。
市場規模(年間)は1年間のピアノのシカゴ内総販売額を集計したものですから、「1年間という一定期間で自動車がシカゴで売られた量(金額)」といえますね
たとえていうと、「ストック」は「容器の中の水の量」であり、「フロー」は「一定時間に蛇口から容器へ注がれる(容器から出ていく)水の量」です。後者の「フロー」は、「1分間に10リットル」のように、一定時間あたりの量を表しているという特徴があります。
(1)基本ステップの解説
フェルミ推定は、基本的に次の5つのステップで進めていきます。
①前提確認 ②アプローチ設定 ③モデル化 ④計算実行 ⑤検証
ここでは、一番有名で基本である「シカゴにピアノの調律師は何人いるのか。」という問題を例に、この5つのステップを順に説明していきます。
①前提確認
ここでは「ピアノ」の定義を明確にしていきます。今回で言うと調律できるピアノであり、電子的なピアノは含まれていません。※今回は家庭にあるピアノを算出していきます。
ⅰ.「ピアノ」をどのように定義をするか「定義」
ⅱ.どのような「ピアノ」を数えるのか「範囲の限定」
を明確にしていきます。
②アプローチ設定
ここでは基本的な式を設定します。いきなりシカゴのピアノの調律師の数を導き出すことはできません。
そこで中学校でならった因数分解をしていきます。
シカゴのピアノの調律師の数を出すためには、
ピアノ調律師の数=ピアノ調律需要÷調律師一人当たりの年間調律件数
を導き出すと答えにたどり着きます。
ここで前提となっている認識としては、需要=供給 ということです。
需要というのはピアノの調律師です。「シカゴでいったいどのくらいのピアノの調律需要があるのか?」という数字です。
供給量というのは、まさにピアノ調律師の数です。シカゴにはその地域のピアノ調律需要を満たすに十分な調律師がいるはずだと考えよということです。
③モデル化
ここでは②アプローチ設定で立てた基本式の深堀を行っていきます。
基本式をみていくと、『ピアノ調律需要』『調律師一人当たりの年間調律件数』という変数があります。
この2つの変数をさらに因数分解していくことを③モデル化で行っていきます。
②アプローチ設定と③モデル化の違いは前者は横のアプローチであり、後者は縦のアプローチとなっています。
ピアノ調律需要=シカゴ世帯数×ピアノ保有率×ピアノ調律の頻度
調律師一人当たりの年間調律件数=一日あたり調律件数×年間労働日数
に因数分解をすることができます。
④計算実行
それでは③で求めたモデル式を計算していきます。
ピアノ調律需要=シカゴ世帯数×ピアノ保有率×ピアノ調律の頻度
▼世帯数の推定
シカゴ世帯数はどう求めるかというと、人口÷平均世帯人数です。
シカゴの人口はどうやって求めるの?そんなの知らないよ!と思われるかもしれないですが、ここで大切なことは推定のためにどういう推定式を使うか、という論理の方です。実際は③モデル化までは導き出せればほぼフェルミ推定は完了しています。
ここではざっくり東京の人口が1000万人だからそこまではいかないだろう。でも都市としては世界で10番目ぐらいには入っていそうだ。なので300万人ぐらいと予想しよう!
みたいな感じで最初の方は考えて問題ありません。フェルミ推定を嫌いになるぐらいならそれぐらいの気軽さで考えたほうが良いと思っています。
考え方というのは習慣にしないと確実に身に付きません。ですので、まずはやってみることが大切なのです。
次に平均の世帯数ですが、感覚的に母親、父親、子供が平均的な世帯であると仮定し、
3人とします。結果としてシカゴ世帯数は300万人÷3人=100万世帯と導ぎだせます。
▼ピアノ保有率の推定
シカゴ世帯数が100万世帯としたときに、ピアノを保有する可能性があるとする裕福なファミリー層は50%といると仮定し、そして実際に保有する世帯を10%で計算していきます。
100万世帯×50%×10%=5万台
シカゴの家庭で保有されているピアノの数は5万台という結論が出ました。
そしたピアノ調律頻度はざっくり年一回程度だろうと仮定します。
そうすると、
ピアノ調律需要
=シカゴ世帯数×ピアノ保有率×ピアノ調律の頻度
=100万世帯×5%×1回/年間
=5万件/年間
と導くことができます。
調律師一人当たりの年間調律件数=一日あたり調律件数×年間労働日数
▼一日あたり調律件数
こちらはピアノの調律は各家庭を回るわけですから、移動時間等のコストが入ります。
そう考えると、大体午前1回、午後2回程度の調律が想定できます。
ですので一日あたりの調律件数を3件と仮定します。
▼年間労働日数
こちらざっくり土日を休みにして大体200日ぐらいだろうと仮定します。
そうすると、
調律師一人当たりの年間調律件数
=一日あたり調律件数×年間労働日数
=3件×200日
=600件
と求めることができます。
そして最後に上記で求めた変数を代入すると、
ピアノ調律師の数=ピアノ調律需要÷調律師一人当たりの年間調律件数
=5万件/年÷600件/年
=約83人
と導くことができました。
ここで気を付けてほしいことは「単位を揃えるということ」です。
今回の問題で言えば「年間」で統一をしています。
⑤検証
検証の方法として一番簡単なのが、
シカゴの人口で割ってみるということです。
300万人÷83人=36,000人
約36,000人に1人の割合でピアノ調律師が存在することになります。
30人に1人とかの割合で出してしまうと公務員ぐらいの数になってしまうので、
明らかにどこかの推論が間違っている可能性があります。
ですので今回の推論をおそらくこのぐらいの数であろうということが分かります。
すぐに読めるのでお勧めです↓
ジャンガおじさん統計学を学ぶ。その5(ビジネス応用編)
こんにちは、ジャンガおじさんです。
前回はかなりザクっと確率分布についてまとめていきましたので、
今回記事の中で出てきた分布について具体的に掘り下げていきます。
下記のケースを読んでみてください。
あなたWEBサービスの責任者です。
・あなたが働いている企業では3か月前に検索サービスをリリースしました。
・検索サービスは広告モデルで広告収入を得て成り立っています。
バックオフィスのエンジニアが駆け寄ってきてこんなことを言ってきました。
「新しいUIはサーバーへの負荷が高いので1分間に同時に980人検索サイトに訪れるとかなり読み込みが遅くなり重たくなってしまいます。1000人を超えるとアウトです。。。。」
下のデータは12月5日の1分間ごとの来訪者数です。
この時の検索サービスの1分間の平均来訪者数を940人だとします。
時間 | 分 | 来訪者 |
0 | 0 | 776 |
0 | 1 | 886 |
0 | 2 | 989 |
0 | 3 | 835 |
0 | 4 | 760 |
0 | 5 | 875 |
0 | 6 | 769 |
0 | 7 | 865 |
0 | 8 | 962 |
0 | 9 | 827 |
0 | 10 | 813 |
0 | 11 | 916 |
0 | 12 | 944 |
0 | 13 | 967 |
0 | 14 | 878 |
0 | 15 | 885 |
さて、1001人以上の人が同時に検索サービスに来訪する確率はどの程度でしょうか???
ある程度イメージはできているでしょうか。
統計学を用いると将来をある程度予測することができるので、
不確実性が高いビジネス世界においてとても重宝される学問であり、
ビジネスとはとても相性が良いのです。
では、具体的に考えていきましょう。
まずやることは
1、まずサンプルデータの形を確認する
ヒストグラムを作ると、1001人以上の同時にサイトに訪れてはいないことがわかります。
では、1001人以上の同時来訪はない=確率0%なのでしょうか??
いいえ、違うのです。
λ(ラムダ)というのは平均を表しています。
ポアソン分布で言うパラメーターとは平均のことであり、
つまり平均が分かれば分布の形を特定することができるのです。
では平均はどこから持ってくればよいのでしょうか?
それは、、、
イベント数(=k) | 0人から1000人までが起動するので | 1000 |
平均(=λ) | 検索サイトを1分間に訪れる平均人数 | 940 |
エクセルで解き方を考えてみましょう。
今回の場合は、
1分間で1001回以上の来訪が発生する確率ですので、
1- (1分間で1000回以下来訪する確率)
になります。
ポアソン分布のエクセル関数は、
POISSON.DIST(イベント数,平均,関数形式)
ですので、エクセルの式はこうなります。
=1-POISSON.DIST(1000,940,TRUE)
=2.51%
よって、1001人以上の人が同時に検索サービスに来訪する確率は2.51%
この2.51%を許容するのか、しないのかはビジネスジャッジになります。
ただ、サーバーおちるのかなーおちないのかなーでも危なそうだようなー
みたいな感覚的に仕事を行うよりも、2.51%という数字を用いて議論するのとでは
全然違います。より経営判断がしやすくなり、データドリブンで仕事ができるようになるのです。