経済ドラマの『マグマ』鑑賞した感想
『ハゲタカ』で有名な真山仁(まやま じん) の著作『マグマ』のドラマ化が
amazonプライムビデオで視聴できる。
全5話で短期間で視聴可能であり、一気に見てしまったので備忘録として記事を書いている。
地熱発電の勉強になるので電力に関して興味がない人ほどおススメをする。
■電力に関しての基礎的な知識(『マグマ』公式サイトより抜粋)
地熱発電の場合は、地球の中にある天然のコンロ(=マグマ)を使う。地下にはマグマによって高温になった地下水が溜まっている。そこに、深い井戸を掘ってパイプを通してやると、地下から熱水が噴き上がって、地表に出た時には蒸気になる。地熱発電は、その水蒸気でタービンを回して電気を起こす。
ドラマの中に登場する高温岩体発電は、地熱発電の発電方式のひとつ。地上から水を勢いよく流し込み、その水圧によって高温の岩盤に亀裂を入れて人工的な水溜りをつくる。その水溜りがマグマに熱せられて熱水になる。
例えると、マグマが火で、岩盤がフライパンのようなイメージだ。その熱いフライパンに水を入れると蒸気があがって、タービンを回すことができる。
化石燃料を一切使わないからCO2の排出もほぼゼロ。
天候にも左右されず24時間365日安定供給できる。
しかも、日本は世界第三位の地熱資源国で、原発約20基分にあたる資源量が眠っているといわれている。
『マグマ』のストーリーを端的に言うと、
外資ファンドが地熱開発の会社を買収した後の経営再建を目指していく物語である。
利益追求のためだけに動く外資ファンド、
高温岩体発電という新しいエネルギーを生み出すための方法を開発する苦労、
既存の電力会社の利権、
世論または、自己利益の為に態度を変える政治家、記者
すべてが複雑に関わり合い、その中で地熱発電の会社の社長を任される外資ファンドの女性主人公。
世の中をマクロの視点で見るためにはオススメなドラマ・小説である。
~地頭力を鍛える~「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」を別の角度で読んでみる
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」
とても素晴らしい本だ!と、Twitterのタイムライン上を流れるのはよく目にする。
実際に面白い。世の中を鋭い観察眼で捉え将来の予測を論理的に説明している。
Twitterでは今世紀一番の本だと評価する方もいた。
そこで、気になるのが佐藤航陽氏の思考だ。
佐藤氏の思考というよりも頭がいい人達の思考だ。
どういった思考でこの本が出来上がったのかを探りながらこの本を読み、
今回はそこで気づいたことを忘れないようにまとめる。
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」で大事なこととして、
価値の転換が挙げられる。
『私たちが価値という言葉を使う時に、それは、
①現実世界で役に立つかという有用性としての価値、
②個人の感情と結びついた内面的な価値、
③共同体の持続性を高める社会的な価値
の3つの区分でされる』
佐藤氏は本著の中で、普段使われている「価値」という言葉の使われ方を定義して明文化した。この思考は頭の良い人たちに共通して言える。
この「価値」という言葉だったり、「努力」「学習」「認知」等は、
観察して直接に確認することができない。
このような対象を理論的対象と言う。
そして、理論的な対象を示している語を理論語と言う。
「何らかの対象を説明するときに使用される語」「理論的に負荷のかかっている語」
という言い方をする。
そして、普段私たちは知らぬ間に理論語用いて会話をしている。
▼具体例
先生:前回の試験の成績があまり芳しくなかったね。努力しないと成績はよくならないよ。
学生:よく分かっています。自分なりには努力をしています。試験日前には1日に8時間程度勉強しています。ただ、いまのところ結果に結びついていないだけです。
先生:そうかな。努力しているとは思えないな。だって成績が伸びていないじゃないか。
二人の会話はかみ合っていません。
先生は学生の努力が足りないと主張し、学生は十分努力をしているといっています。
ここで、使用する範囲と条件を明示しないと使えない語(理論後)は「努力」です。
「努力」とは抽象的な概念で、直接に観察をすることはできません。「努力」という理
論的に負荷のかかった語で成績結果という事実を説明しようとしているのですから、
「努力」はまさに理論語です。
上記の会話の場合は、先生が考える努力とは、試験などにかける時間ではありません。
成績の伸びのような、数値(点数)で表される結果のみを「努力の成果」とみなしてい
ます。一方で、学生が考える努力はとは、数値で表される結果ではありません。時間を
使って試験などの準備をすることそのものが努力なのです。
そして佐藤氏は本書の中で「価値」という理論語の使用する範囲と条件を明示しまし
た。
「私たちが価値という言葉を使う時に、それは、
①現実世界で役に立つかという有用性としての価値、
②個人の感情と結びついた内面的な価値、
③共同体の持続性を高める社会的な価値
の3つの区分でされる」
難しそうな言葉が理論語という訳ではありません。むしろ、「価値」や「努力」の
ような、何気なく使っている簡単な言葉が理論語である場合が少なくないのです。
普段、学校や職場で使用している理論語はないでしょうか。
その理論語はどのような場面で使われていることが多いでしょうか。
あなたが普段使っている言葉を疑うことがに未来を見通す力になるかもしれません。
なぜ電子マネーは乱立したのか。『フェリカの真実』
「フェリカの真実」
ソニーが技術開発に成功し、ビジネスで失敗した理由。
この本はとても面白い。失敗系の伝記は読んだほうがいい。
失敗系の伝記を読んだ方がいい理由は同じ過ちを繰り返さないためである。
成功の原因は無数にあるが、失敗の原因は法則がある。
◎フェリカとは
駅の改札口でIC乗車券をタッチしたり、コンビニエンスストアで電子マネーを利用したり。いまや、あちこちで見られる“かざす便利”をつくりだしたのが、ソニーの非接触ICカード技術方式「FeliCa」です。非接触だから、かざすだけで高速データ送受信。さらに、データは何度も書き換えられ、カード本体を再利用できるエコロジーなシステム。厳重なセキュリティーも実現し、公共交通機関の乗車券システムから、電子マネー、マンションの鍵まで幅広い用途で使われています。これからも、Felicity(至福)に由来する名前どおり、「FeliCa」は世の中をもっと便利に楽しく変えていきます。※出所:ソニーのHP
◎フェリカの変遷(ざっくり)
フェリカは本書によると、
物流用のRFID
→入退室管理で販売するも電波干渉で撤退
→JR乗車券検討するが険しい道が続く
→ソニー大賀社長の「大切な技術を2年でやめるな」でなんとか延命
→香港で実装(オクトパスカード)
→国際規格化に失敗
→なぜかエディ立ち上げ、でも仕様でエンジニアが抵抗←電子マネー乱立の原因
→ソニー出井社長はJRよりドコモ重視←電子マネー乱立の原因
→ドコモとソニーの合弁会社「フェリカネットワークス」立ち上げ
という複雑な経緯で結局ソニーには大した利益をもたらさなかったようだ。
◎オクトパスカードについて
香港のオクトパスカードは、世界への非接触型ICカードの普及に大きな影響を与えることになった。
そして、オクトパスカードは、日本で作られたFelica(フェリカ)方式のICカードを、世界で始めて実用化したのだ。
つまり、日本で最も利用されているFelica(フェリカ)方式は、日本で生まれて香港で実用化されて、その後に日本へ逆輸入されたものになる。
こうした香港のオクトパスカードの成功が、日本のFelica(フェリカ)方式を世界に広めることになった。
今回述べたように、Felica(フェリカ方式)のICカードは、日本で作られた後に香港で実用化されて、また日本に戻った。そのため、こうした香港のオクトパスカードについて知ることは、日本における電子マネーを学ぶために役立つことだといえる。
◎電子マネーの乱立について
電子マネーと言うからには、
現実の貨幣と同様どの店でも誰もが自由に使えなければおかしい。
あの店では使えるけどこの店では使えないではマネーとは到底言えない。
どうしてこんな事態を許すことになったのか。
同じ FeliCa のプラットフォームを使っている香港のオクトパスカードのケースと比べるとその違いはビジネスの導入の仕方にあることが分かる。
FeliCa の規格を採用した世界最初の非接触 IC カードは香港のオクトパスカードである。
運用会社のオクトパス社は非接触 IC カードの開発メーカーに対し採用にあたっての条件を提示したが、それはスペックに関するものではなかった。
オクトパス社が提供するサービス、例えば鉄道屋地下鉄などの交通機関が一枚のカードで利用できること、あるいは、決済に使う電子マネーも一種類であることなど、使い勝手に関するものであった。
有り体に言えば、このようなサービスを考えているのでそれ相応市非接触 IC カードが欲しいというものである。
サービス事業ビジネスモデルありきから始まったのがオクトパスカードなのである。
それに対し日本では物 FeliCa プラットフォームありきから始まっている。
オープンな FeliCa プラットフォームを使えば決済に便利な電子マネーカードを発行することができるので、それを自社のビジネスに役立てたいと考えた企業がそれぞれ独自の電子マネーを作ったというわけである。
まさに電子マネーの乱立は企業のエゴの産物なのである。
そしてそれを可能にしたのがソニーのオープンなプラットフォーム戦略だったというわけである。
◎読み間違えた戦略のつけ
電子マネーの乱立は、
まず「もの製品ありき」から始まるビジネスモデルの限界を象徴している。
日下部氏(Felica開発者)によれば FeliCa とは様々なサービスを入れる器に過ぎない。
その器を利用する際、決済のアプリである電子マネーだけは共通の基盤となるところにないと誰もサービスを提供しないのではないかと考えたという。
だから、電子マネーはどのサービス提供業者も使えるニュートラルなものでなければならなかった。
そのため日下部は共通領域を作りそこにエディを置くようにしたのである。
日下部氏の述懐。
「本来、共通領域に入る電子マネーは一つに絞るべきだったと思うんです。
だけども Edy ができて単独でビジネスを始めてしまいましたから、それを見て共通領域に電子マネーを乗せられるということが皆さんにわかってきたため各自(カード発行業者)が独自のブランド独自の方式で電子マネーをどんどん発行してしまったのです。
それで電子マネーが乱立したわけです。
エディは本来みんなサービス提供事業者が支えなければならなかったのですが単独になってしまったから支えようもなくなったんです 。
SONY でもグループ企業で協力していけば新しいビジネスが展開できたと思います。」
地頭力を鍛える~マンホールの蓋はなぜ丸いのか~
TOEIC学習者はスタディサプリENGLISHを絶対使用したほうがいい
スタディサプリはかなり良いサービスだ。
TOEIC学習者にとってTOEICで高得点をとることがまず目指すべきゴールであろう。
TOEICで高得点を取るために何が一番大切かと問われたら勉強の習慣を身に着けることが一番大切であると感じている。
そんなことは誰でもわかっていると思うが、ではどうしたらTOEICの勉強する習慣が身につくのであろうか。(アメリカのある大学の研究によると、私たちのふだんの行動の約45%は習慣で成り立っているという。)
おそろくその習慣の身につけ方は人それぞれで、多くの人が習慣になる前に挫折してきたと感じている。
今回おススメする英語学習サービス『スタディサプリ』はTOEIC学習の習慣を高確率で身に着けることができるサービスであると感じている。
その習慣化につながる仕組みとしては、
①ゲーミフィケーション②途切れさせたくないと思わせる仕組み③If~thenルール
が挙げられる。
スタディサプリには講義と問題の動画ががあり、それぞれ受講が終わると金・銀・銅のステータスが受講状況によって付与される。(例えば、すべての問題が一問も間違いがなく全問正解なら金のステータス)
「問題を解く→ステータスの変更→さらなるステータスのアップ→まだステータスが与えられていない問題を解く」のサイクルがとても習慣化にとっては良いのである。
専門用語「ゲーミフィケーション」といい、マーケティングなどで顧客の行動をゲームを用いてコントロールすることをいう。習慣化するためにあなたはスタディサプリに行動を良い意味でコントロールしてもらう必要があるのだ。
②途切れさせたくないと思わせる仕組み
ここで重要なこと言う。
習慣を見つけるためには継続しようと思って行動するよりも、行動を途切れさせたくないと思って行動することがより習慣化につながるのだ。海外ではHabit chain(習慣の鎖)といい、習慣の鎖を切らさないように行動したほうが結果的に習慣化されているという。
そこでスタディサプリの機能の一つとして、「連続学習日数」というのが端末(PC、スマホ)のファーストビューに掲示されている。
これが習慣化につながる生命線だと感じている。あなたは一週間ほどこのサービスを使うと必ずこの「連続学習日数」を気にし始める。そして毎日このサービスを開き、途切れさせたくない思いで英語の勉強を始めるのだ。
③if~then ルール
そして最後にテクニックなのだが、If~thenルールというものがある。
if~thenルールの効用は大きすぎる。if○○したら、then○○する。
if○○したら=既に習慣になっていることを書く。
then○○=身に着けたい新しい習慣を書く。
この意識をすると、身に着けたい習慣が身に付きやすいと科学的に証明されている。
if~then ルールを応用するならば、
具体例として提示すると、
1、IF PC(スマホ)を起動したら、THEN まず最初にスタディサプリを開く
2、IF スタディサプリサイト内に流れる音楽を聞いたら、THEN 問題を解く
※スタディサプリのサイトにアクセスすると音楽が鳴り始めるのだが、この音楽を使って習慣化するのも一つの手である。(学習を始めるキーとして活用するということ。)
メディアでは一流な講師がそろっている部分を広告しているが、
じつはサイト内のしくみとしてもかなり良い習慣を見つけるためのキーがたくさんある。2018年度新たなる習慣を身に着けるために活用してみてはどうだろうか。
地頭力を鍛える~AMEXが年会費を1円にしたら儲かるか~
AMEXの利用額年間100万円というのはダントツに高いといえます。高所得者層をターゲットにしているからこそこの数字を出せているのです。
年会費1円の魅力に惹かれてAMEXのカードを作る層というのは大衆層であると想定できます。
仮に大衆層がカードを作成し、VISAの33万円ほどの利用をした場合には話の前提が大きく崩れてしまいます。
年間100万円利用の想定で7000万人(39%増)の会員増が必要だったはずですが、これが年間33万円の会員しか獲得できないとすると、2億1000万人もの増加を必要になります。
この数字は会員数を3倍以上にしてくださいといっているということですので、短期間での達成は到底不可能です。
ここから導き出される回答としては、AMEXの年会費は1円にするべきではないということになります。
どうでしたか?フェルミ推定もビジネスに応用していけばどんどん面白くなっていきます。