ドアノブが必ず右回りな理由
普段何気なく過ごしている中に人間のたくさんの英知が詰まっている。
ドアノブもその一つである。
あなたは今までの人生で何度ドアを開けただろうか。毎日どこかしらのドアを開けているはず。そしてそのドアについているドアノブは大半は「右回り」であり、左回りのドアノブはほぼ存在しない。
今までそんなことを考えたことがない人は想像してほしい。実際に手を動かして、たしかにドアノブが右回りであることを確かめてほしい。
パチンコが趣味な人は是非確かめてほしい。そのパチンコのハンドルは確実に右回りであることを。
日曜大工が趣味な人は是非確かめてほしい。そのネジの締めは確実に右回りであることを。
そして考えてほしい。なぜドアノブは右回りなのか、パチンコのハンドルが右回りなのか。ネジの締まりが右回りなのか。
分からない場合にはあえて逆の左回りのドアノブを想像してみてほしい。
左回りのドアノブ。
腕がつっかかるような感じがする。力が入りにくい。手首が痛い。
そうなのだ。答えは簡単だ。
左回りのドアノブは力が入りにくく、右回りのドアノブは力が入りやすく開けやすい。
ただ右回りのドアノブの方が開けやすいだけだ。
なにをそんな当たり前のことを仰々しく語っているのかと思われるかもしれない。
そんなことを感じる人は是非さらに考えを進めてほしい。
何故、右回りのドアノブは力が入りやすくドアを開けやすいのか。
手首を左に捻った時と、右に捻った時の差を確かめてみてほしい。
手首をひねった時に意識を手首だけでなく、腕全体にもっていってほしい。
そうすると分かるはずだ。
ただ手首を右に回しているだけのに何故か腕の力こぶに力が入っているのだ。
力こぶに力をいれているわけではない、のにだ。
逆に手首を左回りに回すと力こぶに力は入らない。
このことが理由だ。
手首を右にひねると上腕二頭筋が強く働くため、生活のあらゆる動作は右回りの設計されているのだ。
このことは解剖学的に説明すると前腕の回外の主働筋は上腕二頭筋であるという。
*回外(かいがい)・・手のひらを下に向けた状態から、前腕部ひねって上に向けること。
そしてこのことを理解できるとトレーニングにも応用できるのだ。ただの豆知識の領域を超えてくるのだ。
トレーニングの例で説明すると、上腕二頭筋を鍛える際にダンベルをもって肘を屈曲させるだけでなく、屈曲させながら前腕を回外させ刺激を加えるのだ。
そうすると上腕二頭筋に強い刺激が入ってくる。
これは解剖学的に体を理解することにより、トレーニングの質が向上する良い例である。無駄な知識は少ないのだ。