肥満が自己責任ではない6つの理由

フリー写真 角砂糖

あなたは「誰かに」太らされている。

その事実を知った時にあなたはどう思うだろうか。

 

カリフォリニア大学サンフランシスコ校教授のロバート・H・ラスティングによって書かれた『果糖中毒』という本から面白い説を紹介しよう。

 

肥満の原因が「自己責任」にあることを疑問視すべき理由6つが書かれている。

 

肥満が自己責任ではない6つの理由

理由1.誰も好き好んで肥満にならない

肥満はさまざまな医学的合併症を伴うことが多く、肥満の人は、心臓病や2型糖尿病を抱える可能性が高い。果たして、肥満を自分の強みとみなす人などいるだろうか。肥満を好ましい、まねしたいとか思う人がいるだろうか。肥満の子供たちは仲間外れにされ、いじめの対象になりやすい。自尊心が低く、恥の感覚や自己嫌悪、孤独感に悩む子も多い。

理由2.ダイエットも運動も効果がない

本当の問題は体重を落とすことではなく、意味のある期間にわたって、落とした体重を維持することにある。ダイエットと運動が行動変化をもたらし、それがずっと続くかどうかは大いに疑問だ。1歳の肥満の男の子を想像してほしい。1歳という年齢では、ランニングマシンに乗って走ることは不可能だし、肥満予防のためにライフスタイルを変えることは難しい。

 

理由3.世界中の人が同時に太っている

肥満の流行がアメリカだけで起きているなら、それはただの「流行(エピデミック)」だ。つまり、特定の地域だけで起きる病気の勃発である。それは違う。肥満は「世界的大流行(パンデミック)」、すなわち全世界の問題である。今では、世界中のどこに行っても、肥満の問題を免れることはできないのだ。

 

理由4.動物も太っている

ある研究によると、ここ20年の間に飼育動物の体重増加がみられたという。動物でさえ体重増加の兆しがあるということは「自己責任」論を否定するするものであると同時に、地球上のあらゆる生命が何らかの環境刺激の悪影響をこうむっているという考えを支持するものだ。

 

理由5.低所得者も太っている

自己責任には「選択」という意味合いがあり、普通はそれは意識的な選択を指す。だが、選択の余地がないところでは、自己責任など取りようがないのではないだろうか。アメリカの話で言えば、アメリカ全土を通じ、貧しい地域には「ヘルシー」な食品が購入できる農産物直売所やスーパーマーケットや食料品店がない場合多い。

 

理由6.乳幼児も太っている

ここ40年の小児肥満の傾向を調べると、すべての年齢層に影響が表れていることがわかる。中でも、過去10年間に最も高い肥満上昇率を示したグループは、2歳から5歳までのグループだ。さらには、生後6か月の乳児はおける肥満の流行さえ見受けられる。

 

肥満の原因は現在の食習慣と運動不足だと社会はすぐに批判をするが、この生後6か月の肥満児たちについてはどうやって説明するのだろうか。

肥満の流行に関する理論がどんなものになろうが、それは、この乳児たちの肥満原因も説明できるものでなければいけない。

食習慣と運動不足という理論は、こと、生後6か月の乳幼児グループについては、まったくつじつまが合わないのだ。