投資家・投機家が陥りやすい認知バイアス

 

株価の乱高下が凄まじい。

SNSでは二番底が!二番底がくる!と連呼されているが果たしてくるのであろうか。

ちょっとここで変わった視点で株価の動きを考えてみよう。

それは現在の経済指標やら、株価の割高さ、割安さなどすべて排除して、人間の認知バイアスで考えてみることにする。

 

今の状況で二番底を主張する人の根拠はなんだろうか。それはコロナ影響による直近最安値を意識した思考と現状のコロナ影響の不透明さによるものと考えられる。直近最安値の意識、つまり【アンカリング】による特定の節目を意識した株価の予想という訳である。そして、二番底を一旦主張してしまうとそこには【確証性バイアス】つまり、自分が判断を下した意思決定にしがみついてしまうことになる。また特定の金融商品に拘っているから【視野狭窄】であるからこそ2番底という言説が溢れてしまうのだ。さらに、青天井よりも二番底がより意識される理由は【損失回避】プロスペクト理論による損失の過剰評価による説明もできるかもしれない。

そのように考えると株価が上がり続けている現状を見つつも、2番底を主張している人は相当な認知バイアスにかかっているかもしれない。

投資において大切なことはいつでもゼロベースで思考し、現状を受け入れることではなかろうか。株価の予想は誰も分からないが、現状は誰でも理解できる分かる。株価はV字回復しているのだ。

 

 

【アンカリング】特定の節目を意識して取引を行い、合理的でない判断を下してしまう可能性がある。

【視野狭窄】特定の金融商品にばかり意識が寄ってしまい、投資の機会損失を失ってしまう。

【確証性バイアス】自分が確証したもの、意思決定したものに固執してしまい、合理的でない行動をとり続けてしまう可能性がある。

【自信過剰バイアス】他よりも優れている感覚、他よりも投資経験が多いなどから自分の投資先を過剰に評価してしまう。

【損失回避】プロスペクト理論。多くの投資家は損失に過剰な反応を見せる。

【経験則バイアス】自分の経験則を過剰に評価してしまい、合理的な判断ができなくなる。

【カリスマ効果バイアス】有名な投資家などを盲目的に評価し、市場価格に見合わない投資をしてしまう。

【ディスポジションバイアス】損大利小のトレードをするのが人間の心情。長期的に損失を被っている商品が短期的に少しの利がのるとすぐに売却してしまう。